- 大分類
-
- 血小板
- 小分類
-
- 疾患
Storage pool 病 Storage pool disease
解説
【病態・病因】
Strage pool disease(SPD:ストレージプール病)は先天性血小板顆粒異常症の総称である。血小板内の顆粒はα顆粒,濃染顆粒(δ顆粒),リソソームに大別される。血小板内のα顆粒とその内容物(フィブリノゲン,血小板第4因子・βトロンボグロブリンなど)を欠損するものをα-SPDといい,塗抹標本上で染色性が低下した灰色の血小板が特徴的なため,灰色血小板症候群(gray platelet 症候群)とも呼ばれる。一方,血小板内の濃染顆粒(δ顆粒)とその内容物(アデノシン二リン酸,セロトニンなど)を欠損するものをδ-SPDという。δ-SPDの中には,白皮症を伴うHermansky-Pudlak症候群とChediak-Higashi 症候群も含まれるが,白皮症を伴わない症例もある。また,α顆粒と濃染顆粒の両者が減少するαδ-SPDという。Gray platelet 症候群とHermansky-Pudlak症候群ではさらに詳細な解析が行われており,原因の遺伝子異常の報告もあるが,それぞれの項を参照されたい。症状は幼少期からみられる出血症状であり,フォン・ヴィレブランド病(VWD)に類似した出血症状を呈することが多い。顆粒の異常のタイプは様々であり,出血症状の程度も症例によって異なる。稀な疾患であることもあり,病因の明らかでない症例も多い。
参考文献
1) 國島伸治:Gray Platelet 症候群,血液フロンティア 16:1078-1084,2006.