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脳血管インターベンション後の抗血小板療法 antiplatelet therapy following neuroendovascular therapy
解説
【定義】
【ポイント】
1)緊急インターベンション
・脳梗塞急性期血栓回収療法
血管内治療による血栓回収療法は発症8時間以内の症例が対象で,適応があれば可能な限り血栓溶解療法を先行させる.同療法を先行させた場合には原則として投与後24時間抗血栓療法を見合わせた後,非心原性脳梗塞の症例では抗血小板療法を開始する.発症後3週間はアスピリンとクロピドグレルの抗血小板薬2剤を投与すると再発が少ないことが報告されている.血栓溶解療法を先行させなかった場合,非心原性脳梗塞では術直後から期間限定で上記抗血小板薬2剤使用を考慮する.いずれの場合にも3ヶ月以上の2剤併用は出血合併症の危険から推奨されていない.
・くも膜下出血急性期の動脈瘤塞栓術
急性期コイル塞栓術では,追加手術や出血増悪,再破裂時の懸念から周術期の抗血小板療法は一般的ではなく,周術期の一時的なヘパリン使用に限定する施設が多い.
2)待機的インターベンション
・頭蓋内外主幹動脈狭窄に対する冠動脈ステント留置術
待機的な頸動脈ステント留置の場合,術前に最低24時間以上の抗血小板薬2剤併用を先行させる.海外ではアスピリンとクロピドグレルが一般的であるが,わが国ではシロスターゾルも加えた3剤の中から選択される.クロピドグレルなど薬剤によっては,速やかな効果発現のために初回大量投与が必要なものがある.術後も2剤継続が望ましいが,継続期間,減量時期については一定の見解はない.3ヶ月以上の2剤継続では出血合併症が増加することに留意する.1剤の抗血小板療法は終生継続が必要とされている.アスピリンの長期投与が一般的であるが,アジア人ではアスピリンによる頭蓋内出血リスクが懸念され,他の抗血小板薬が単剤で長期投与される場合も多い.
頭蓋内狭窄については十分なエビデンスがない.
・未破裂脳動脈瘤に対する塞栓術
待機的コイル塞栓術では,術前から抗血小板薬1剤の先行投与が一般的で,術後は瘤の形状や手技の煩雑度に応じて抗血小板薬の併用の是非を判断する.どの抗血小板薬を用いるかは統一された見解はない.期間は単剤ではおおむね3ヶ月以内とする報告が多いが,ステント併用例では長期の2剤投与が必要とされている.