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経口活性化凝固第X因子阻害薬(Xa阻害薬) oral FXa inhibitor
解説
【一般名】
経口活性化凝固第X因子阻害薬(Xa阻害薬)(リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン)
【適応】
【禁忌】
アピキサバンの禁忌:1) 臨床的に問題となる出血症状のある患者、2)血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患患者、3)腎不全(CCr 15mL/min未満)の患者。
【作用機序】
3薬剤とも低分子化合物で、活性化第X因子の活性部位に特異的に競合結合し、遊離型FXaのみならずプロトロンビナーゼ複合体を構成するFXaにも活性阻害を示す。プロトロンビンからトロンビンへの変換速度を抑制し、トロンビン産生量を減少する。
【半減期・代謝経路】
3剤のTmax、半減期、腎排泄率、生物学的利用率等の特徴について(表)にまとめた。
【ポイント】
3剤の有用性と安全性については、第III相国際臨床試験が実施され公表されている(表)。リバーロキサバンでは、日本人向けの用量設定で日本人1280例に対して実施されたJ-ROCKET-AF試験がある。安全性主要項目累積事象発現率でワルファリンに対する非劣性が示された。とくに虚血性脳卒中発現が約半数になったことがポイントである。また、ARISTOTLE試験では、ワルファリンに対するアピキサバンの有効性と安全性ともに優位性が確認された。同様に、ENGAGE-AF試験でもワルファリンに対してエドキサバンは脳卒中発症比率を同等に抑え、重大な出血リスクをワルファリンに比べて20~53%低減できたことが明らかにされた。経口活性化凝固第X因子阻害薬は現在のところプロトロンビン時間(PT)(INR含む)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は抗凝固能をモニタリングする指標とはならないとする見解である。
図表
引用文献
1) Ogawa S, Koretsune Y, Yasaka M, Aizawa Y, Atarashi H, Inoue H, Kamakura S, Kumagai K, Mitamura H, Okumura K, Sugi K, Yamashita T: Antithrombotic therapy in atrial fibrillation: evaluation and positioning of new oral anticoagulant agents. Circ J 75: 1539–1547, 2011.
参考文献
1) 小室一成:循環器内科医のためのXa阻害薬のすべて,メデイカルレビュー社,2012,105-140.
2) 新時代を迎えた抗凝固療法,Cardio-Coagulation 1(1):6-65,2014.