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PAI-1測定法
解説
基準値<30 ng/ml
測定法・測定原理
異常値を示す病態とそのメカニズム
異常値に遭遇した際の対応
その他のポイント・お役立ち情報
血小板中にPAI-1の90%以上が含有されており、血小板の活性化により血漿中に放出される。抗血小板剤の種類に関係なく、その服用により血漿中PAI-1濃度が低下傾向を示す。また、アスピリンの増量もしくは併用開始により一過性に血漿中PAI-1濃度が高値となるが、その機序は不明である。男性の血漿中PAI-1濃度は、内頚動脈の肥厚とも関連する。加齢変動があり、男性40代、女性70代以降低下する。30代から70代まで性差があり、男性で高値となる。一般住民でのPAI-1値は、非正規分布を示し、高値側にシフトする。基準値幅が広く、基準値から正常・異常の判断が困難となる場合がある。その場合、個人レベルで経日変化を観察することが必要である。PAI-1遺伝子の発現調節領域の4G/5G遺伝子多型で4G/4Gの場合、高くなる傾向がある。PAI-1はアディポカイン(脂肪由来のサイトカイン)の一つであり、血漿PAI-1濃度は内臓脂肪量と相関する。血液中では、PAI-1がtPAより多く存在するため、tPA-PAI-1複合体の増加は、tPAの増加を意味する。
参考文献
1) 曽我部万紀他:医学のあゆみ 173.1995,997-998.
2) 坂田洋一:Medicine 31:330-331,1994.
3) Sakata T, Mannami T, Baba S, Kokubo Y, Kario K, Okamoto A, Kumeda K, Ohkura N, Katayama Y, Miyata T, Tomoike H, Kato H: Potential of free-form TFPI and PAI-1 to be useful markers of early atherosclerosis in a Japanese general population (the Suita Study): association with the intimal-medial thickness of carotid arteries. Atherosclerosis 176: 355
4) Sakata T, Kario K: Increased plasma plasminogen activator inhibitor-1 levels caused by additional aspirin treatment. Thromb Haemost 95: 906