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周皮細胞 pericyte
解説
【概要】
血管の内腔面を一層に覆う血管内皮細胞に対し、基底膜側から内皮細胞に接着している細胞は壁細胞と呼ばれる。静脈や動脈の内皮細胞に接着する壁細胞は血管平滑筋であるのに対して、毛細血管および細静脈の内皮細胞の周囲に接着する壁細胞は周皮細胞(ペリサイト)と呼ばれる。ペリサイトは内皮細胞を裏打ちあるいは取り囲むように存在する長楕円形の核を有する紡錘形の細胞である。ペリサイトは平滑筋細胞とは異なり、血管内皮細胞とともに基底膜で包まれて、内皮細胞と直接接触して存在する。
【機能】
ペリサイトの機能の一つは、血管内皮細胞の分化や増殖を制御することである。また内皮細胞とギャップ結合などにより密着し、血管の構造的安定化に寄与するとともに、炎症産物の漏出、白血球の組織浸潤に関与する。ペリサイト自身が自己増殖能を有し、新しく形成された血管を裏打ちする。平滑筋細胞やマクロファージ様の貪食細胞に分化可能である。さらに細胞外マトリックスを産生し、基底膜の構築に関わる、等の機能を有する。この細胞の発生起源については現在明らかにされていないが、多分化能や自己複製能を有することから一種の未分化間葉細胞あるいは間葉系幹細胞であるとする報告がある。
血管形成の過程において、内皮細胞から分泌される血小板由来成長因子(platelet derived growth factor; PDGF)BBがペリサイトの内皮細胞周囲への動員を誘導する。誘導されてきたペリサイトは、血管内皮細胞に発現する受容体型チロシンキナーゼTie2に対する結合因子アンジオポエチン1(Ang1)を分泌し、内皮細胞同士の接着や内皮細胞とペリサイトの細胞接着を誘導する。
血管形成の過程において、内皮細胞から分泌される血小板由来成長因子(platelet derived growth factor; PDGF)BBがペリサイトの内皮細胞周囲への動員を誘導する。誘導されてきたペリサイトは、血管内皮細胞に発現する受容体型チロシンキナーゼTie2に対する結合因子アンジオポエチン1(Ang1)を分泌し、内皮細胞同士の接着や内皮細胞とペリサイトの細胞接着を誘導する。
参考文献
1) Armulik A, Genové, G, Betsholtz C: Pericytes: developmental, physiological, and pathological perspectives, problems, and promises. Dev Cell 21(2): 193-215, 2011.