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サルポグレラート sarpogrelate hydrochoride
解説
一般名
サルポグレラート塩酸塩
製品名
アンプラーグ
適応
慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛・冷感などの虚血性諸症状の改善
投与量
サルポグレラート塩酸塩として、1回100mgを1日3回投与する。
慎重投与
月経期間中の患者、出血傾向ならびにその素因のある患者、抗凝固剤あるいは血小板凝集抑制作用を持つ薬剤投与中の患者、重篤な腎障害のある患者
重大な副作用
脳出血、消化管出血、血小板減少、肝機能障害、黄疸、無顆粒球症
禁忌
出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
作用機序
血小板、血管平滑筋の5-HT2(セロトニン)受容体に作用する。このレセプターに対して特異的に拮抗作用を有し、血小板においては、セロトニンが5-HT2 受容体と反応することにより引き起こされる細胞内カルシウム濃度の上昇、血小板活性化、に続く血小板血栓形成を抑制する。血管平滑筋においては、セロトニンが5-HT2 受容体と反応することにより引き起こされる細胞内カルシウム濃度の上昇、血管収縮を抑制する。この薬剤は、抗血小板作用は強くないが、セロトニン拮抗作用による血管収縮抑制作用を合わせ持つ点に特徴を有する。
半減期ほか
半減期は約2時間である。血小板凝集抑制作用は、経口投与後1.5時間で最高となり、4-6時間持続するが12時間後には回復傾向を示す。
代謝経路
主な代謝部位は肝臓と推定されている。サルポグレラート塩酸塩は、ヒトにおいて主にコハク酸エステルの脱エステル化とそれに続く芳香環の水酸化、脱メチル化等により代謝される。脱エステル化された後、代謝物は複数のチトクロームP450(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4)で代謝される。
その他のポイント
高齢者では、腎臓、肝臓などの生理機能低下により、高い薬剤血中濃度が持続するおそれがあるため、高齢者では低容量(例えば150 mg/日)より投与を開始するなど慎重投与を行う。また、動物実験(ラット)で胚胎児死亡率増加および新生児生存率低下が報告されていること、乳汁中への移行が報告されていることから、妊娠又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないとの禁忌が示されている。
血小板凝集、血管収縮、うつ病など精神神経疾患に関与する血管作動、神経伝達物質である。
参考文献
1) 医薬品インタビューフォーム (サルポグレラート塩酸塩,アンプラーグ:日本標準商品分類番号873399)