大分類
  • 凝固
  • 小分類
  • 検査
  • PIVKA protein induced by vitamin K absence or antagonist / protein induced in vitamin K absence

    2025/07/02 更新
    2015/02/17 作成

    解説

    【概要】
    ビタミンK(VK)依存性凝固因子と総称される。プロトロンビン(凝固第II因子)、凝固第VII因子、凝固第IX因子、凝固第X因子は遺伝情報に基づき翻訳が終了した後、VK依存性カルボキシラーゼによってN末端近傍の特定のアミノ酸に1モルあたり10個から12個のγ‐カルボキシグルタミン酸(Gla)残基が付与されて完成する。血液凝固反応は、反応部位であるリン脂質膜上で、基質、切断酵素、コファクター、カルシウムイオンが複合体を作ることで効率的に進行するが、VK依存性凝固因子がリン脂質膜に結合するためにはGlaの存在が必要である。もし、VK依存性カルボキシラーゼの活性が欠如していたり、補因子であるVKが欠乏していると、γ-カルボキシル化反応が停止し、Gla残基を保有しない非活性のVK依存性凝固因子前駆体が著増し、この前駆体をprotein induced by vitamin K absence or antagonist(PIVKA)と呼んでいる。PIVKAはGlaを欠くためにprothrombinase complexやXase complexの形成に参画できなくなり、その結果、血液凝固反応は数万分の1に遅延することになる。

    【測定法・測定原理】

    それぞれのVK依存性凝固因子に応じたPIVKAがあるが、臨床で診断薬として用いられているのはプロトロンビンのPIVKAPIVKA-II)である。我が国では、モノクローナル抗体を用いた化学発光酵素免疫測定法や化学発光免疫測定法、電気化学発光免疫測定法、液相結合法による測定試薬が発売され日常検査に用いられている。