- 大分類
-
- 血小板
- 小分類
-
- 治療
冠動脈インターベンション後の抗血小板療法
解説
■概要
冠動脈インターベンション(PCI)ではそのほとんどにステントが留置される。ステントは血管内異物となるため、血小板凝集が惹起されて血栓を形成し、ひいてはステントの閉塞をきたす原因となる。ステント血栓症はときに致命的となるため、その予防のため強力な抗血小板療法がおこなわれる。
■抗血小板療法の実際
1)DAPT(dual antiplatelet therapy)の確立
2)DAPTの期間
3)DAPTの注意事項
4)新しい抗血小板薬とDAPT
■DAPT終了後の抗血小板療法
DAPT終了後はアスピリンの半永久的投与が推奨されている。なお、アスピリンの出血性合併症が再評価されており、消化管出血の対策としてPPI(プロトンポンプ阻害薬)の併用が推奨されている。また、クロピドグレルの代替単独投与も検討されている。
■課題
心房細動合併例など抗凝固薬を投与中の患者ではDAPTを併用すると出血性合併症が多発する。この対策として3者の併用期間を可及的に短くすることや、アスピリン抜きの併用療法などが検討されている。なお、NOAC(経口トロンビン阻害薬、経口活性化凝固第X因子阻害薬)とDAPTの併用については今後の課題である。
参考文献
1) 日本循環器学会:循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂版).
2) 日本循環器学会:安定冠動脈疾患に対する待機的PCIのガイドライン(2011年改訂版).
3) Saito S, Isshiki T, Kimura T, et al: Efficacy and safety of adjusted-dose prasugrel compared with clopidogrel in Japanese patients with acute coronary syndrome – The PRASFIT-ACS Study – . Circ J 78: 1684-92, 2014.