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シクロオキシゲナーゼ cyclooxygenase
解説
【分子量】
【ノックアウトマウスの表現形】
【病態との関わり】
COXの阻害は、抗血小板薬、および抗炎症薬として臨床応用されている.アスピリンはより少量の薬剤量で血小板COX-1の529セリンをアセチル化により不可逆的に阻害する.抗炎症作用発揮にはより高用量が必要である. COX-1阻害による抗炎症薬としては、非ステロイド性抗炎症剤(non-steroidal anti-inflammatory drugs: NSAIDs)が最も用いられている。NSAIDSsは、さらにCOX-1およびCOX-2の両方を阻害する非選択性のもの(nonselective: ns-NSAIDSs)と、COX-2を優位に阻害する選択性のもの(selective: s-NSAIDSs)に分類される.COX-1を阻害すると、抗炎症作用とともに、胃粘膜保護、腎機能維持、血小板凝集と関連するPG産生が抑制されることによる副作用がある.一方、COX-2を選択的に阻害した場合は抗炎症作用が主として得られ、胃腸障害などの副作用が少ないとされている。しかし、COX-2阻害薬が心血管系疾患のリスクを増大させる可能性が指摘されており、米国において一部のCOX-2阻害薬が市場から回収された。セレコキシブの使用に当たっては、心血管系の副作用の可能性を十分に考慮し、服薬中の患者個々の状態をよく観察する必要があるとされている。
図表
参考文献
1) 横溝岳彦,村上誠:脂質メディエーターの機能 新規創薬への応用をめざす基礎研究,実験医学27:2040-2046,2009.
2) Sellers RS, Radi ZA, Khan NK: Pathophysiology of cyclooxygenases in cardiovascular homeostasis. Vet Pathol 47: 601
3) Langenbach R, Loftin CD, Lee C, Tiano H: Cyclooxygenase-deficient mice. A summary of their characteristics and susceptibilities to inflammation and carcinogenesis. Ann N Y Acad Sci 889: 52