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  • プロスタサイクリンアナログ製剤

    2025/03/07 更新
    2015/03/10 作成

    解説

    【一般名(製品名)】
    ①ベラプロストナトリウム(ドルナー、プロサイリン、ベラプロストナトリウム)
    ②ベラプロストナトリウム(ベラサスLA、ケアロードLA)

    【適応】
    ①慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善、原発性肺高血圧症
    ②原発性肺高血圧症

    【副作用・禁忌】
    出血傾向、ショック、失神、意識消失、間質性肺炎、肝機能障害、狭心症、心筋梗塞、顎痛等。
    禁忌:出血している患者、妊娠または妊娠している可能性のある婦人。

    【作用機序】
    プロスタサイクリン(PGI2)はアラキドン酸カスケードにおいて生成される内因性エイコサノイドの一つであり、プロスタサイクリンアナログはその構造に類似した誘導体製剤である。血小板及び血管平滑筋のプロスタサイクリン受容体を介して、アデニレートシクラーゼを活性化し、細胞内cAMP濃度上昇、Ca2+流入抑制及びトロンボキサンA2 (TXA2)生成抑制等により、抗血小板作用、血管拡張作用等を示す。プロスタサイクリンは血中半減期が非常に短いため経静脈投与が行われるが、プロスタサイクリンアナログであるベラプロストナトリウムでは経口投与が可能となった。

    【半減期・代謝経路】
    血中半減期は経口100μg単回投与時において約1.1時間である。主にβ-酸化、15位水酸基の酸化と13位二重結合の水素化、グルクロン酸抱合により主として肝臓で代謝されると推定されている。

    【その他のポイント・お役立ち情報】

    現時点では肺動脈性肺高血圧症に対しプロスタサイクリンとそのアナログ、エンドセリン受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5 阻害薬の3系統の治療薬が存在し、それらの併用療法が行われている症例も多い。

    図表

    • ベラプロストナトリウムの構造式(アステラス製薬ホームページより引用)

    参考文献

    1) 医薬品インタビューフォーム ドルナー錠20μg.
    2) Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of THERAPEUTICS 12th edition.
    3) 日本循環器学会:肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版).