大分類
  • 血小板
  • 小分類
  • 検査
  • WBA-Neo

    2015/02/17 作成

    解説

    【概要】
     全血血小板凝集測定装置1)である。WBAneoアナライザーは全血を用いるため、多血小板血漿を検体として用いる透過光法による血小板凝集能検査(透過度法)に比べ、短時間で測定が可能である。血小板凝集能の測定原理は血小板凝集惹起物質を添加した血液を1mm2あたり300個の穴が開口している直径30μmのニッケル製マイクロメッシュフィルターを通して吸引する際の圧の変化すなわち血小板凝血塊で目詰まりすると圧が上昇するのを測定解析するscreen filtration pressure(SFP)変法(細孔吸引圧検知方式)である。


    【測定方法】

     3.8%または3.13%クエン酸加全血サンプルを200μLずつ、4本のキュベットに分注し(1.6mL のクエン酸加全血量で2回測定可能)、37度で1分間インキュベート後、4段階濃度の血小板凝集試薬(ADP・コラーゲン等)22μLを各キュベットに添加する。5分間の凝集反応後、約1分後に結果がプリントアウトされるため、1回の測定は約7分で終了する。

     分析結果は6段階の血小板凝集能の強さのグレード分類と50%凝集率となる凝集刺激剤の濃度である血小板凝集閾値係数 (platelet aggregatory threshold index; PATI) が自動的に表される。例えば1回の採血量1.6mLでADP凝集は1, 2, 4, 8μmol/Lと4, 8, 16, 32μmol/Lと濃度を変えて2回測定すればPATI値は最大32μmol/Lまで表記される。


    【注意点】

     ADP凝集では採血から60分後の測定値が最小となる2)など採血から測定までの時間によってPATIの値は変化する。安定した結果を得るためには各施設で採血から測定までの時間を採血直後または60分後に厳密に一定化する必要がある。


    【特徴】

     操作が簡単で、全血を用いて短時間で測定が可能であり、PATIによる定量的評価が可能であるため、術前術後の管理や抗血小板療法のモニタリング3)として臨床応用が期待される。

    引用文献

    1) Ozeki Y, Sudo T, Toga K, Nagamura Y, Ito H, Ogawa T, Kimura Y: Characterization of whole blood aggregation with a new type of aggregometer by a screen filtration pressure method. Thromb Res 101: 6572, 2001.
    2) Sudo T, Ito H, Ozeki Y, Kimura Y: Estimation of anti-platelet drugs on human platelet aggregation with a novel whole blood aggregometer by a screen filtration pressure method. Br J Pharmacol 133: 13961404, 2001.
    3) Motoda C, Ueda H, Hayashi Y, Toyofuku M, Okimoto T, Otsuka M, Tamekiyo H, Kawase T, Kihara Y: Impact of platelet reactivity to adenosine diphosphate before implantation of drug-eluting stents on subsequent adverse cardiac events in patients with stable angina. Circ J 76: 641649, 2012.

    参考文献

    1) 最新臨床検査機器のすべて,Medical Technology Vol.34 No.13,医歯薬出版株式会社,2006.