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プロスタグランジンE1製剤(PGE1)
解説
【一般名(製品名、剤形)】
①アルプロスタジル(パルクス、リプル、アルプロスタジル、注射剤)
②リマプロストアルファデクス(オパルモン、錠剤)
③ミソプロストール(サイトテック、錠剤)
④プロスタンディン(プロスタンディン、注射剤/軟膏)
⑤プレグランディン(プレグランディン、膣坐剤)
【適応】(番号は上記薬剤の適応疾患に対応)
①慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善
①進行性全身性硬化症、SLE、糖尿病における皮膚潰瘍の改善
①振動病における末梢血行障害に伴う自覚症状の改善
①動脈管依存性先天性心疾患における動脈管の開存
①経上腸間膜動脈性門脈造影における造影能の改善
②閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
②後天性の腰部脊柱管狭窄症伴う自覚症状(下肢疼痛,下肢しびれ)および歩行能力の改善
③NSAIDsの長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍
④褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍)
⑤妊娠中期における治療的流産
【副作用・禁忌】
副作用:重大な副作用として肝機能障害、黄疸が現れることがある(頻度不明)。その他の副作用として、過敏症(発疹、掻痒感)、消化器(下痢、悪心、腹部不快感、腹痛、食欲不振、胸やけ)、循環器(心悸亢進)、精神神経系(頭痛、めまい)、その他(潮紅、ほてり)などが0.1~1%未満の頻度で報告されている。
禁忌:子宮収縮作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与してはいけない(プレグランディンは除く)。
【作用機序】
リマプロスト、アルプロスタジルはPGE1受容体刺激薬である。7回膜貫通型受容体にカップルするアデニル酸シクラーゼを活性化することで、血管平滑筋や血小板のcAMPを増加させ、血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を呈する。
健常成人にリマプロストとして5μgを空腹時単回経口投与すると、血漿中濃度は0.42時間後に最高に達し、その濃度は1.26pg/mLである。また、消失半減期は0.45時間である。本剤は主に肝臓で一般の脂肪酸同様β酸化を受けてα側鎖が短縮されるとともに、ω鎖末端の酸化、五員環の異性化、C-9位のカルボニル基の還元等を受けて代謝される。
ラットに〔11β-3H〕リマプロスト アルファデクスを経口投与したとき、投与量の75~80%は胆汁中に排泄された。胆汁中に排泄された薬物のうち投与量の50~55%は再吸収され、最終的には糞中へ投与量の約70%、尿中へ投与量の約30%が排泄された。
リマプロストは半減期が短く、抗血小板作用が可逆性であるため、手術や侵襲的処置が必要な場合の休薬期間は1日程度とされている.
引用文献
1) オパルモン錠5μg,医薬品インタビューフォーム 新様式第8版,2013.
2) アピスタンディン注射用20μg,医薬品インタビューフォーム 第7版,2011.