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  • プロスタグランジンE1製剤(PGE1)

    2025/03/07 更新
    2015/02/17 作成

    解説

    【一般名(製品名、剤形)】
    ①アルプロスタジル(パルクス、リプル、アルプロスタジル、注射剤)
    ②リマプロストアルファデクス(オパルモン、錠剤)
    ③ミソプロストール(サイトテック、錠剤)
    ④プロスタンディン(プロスタンディン、注射剤/軟膏)
    ⑤プレグランディン(プレグランディン、膣坐剤)

    【適応】(番号は上記薬剤の適応疾患に対応)
    ①慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善
    ①進行性全身性硬化症、SLE、糖尿病における皮膚潰瘍の改善
    ①振動病における末梢血行障害に伴う自覚症状の改善
    ①動脈管依存性先天性心疾患における動脈管の開存
    ①経上腸間膜動脈性門脈造影における造影能の改善
    ②閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
    ②後天性の腰部脊柱管狭窄症伴う自覚症状(下肢疼痛,下肢しびれ)および歩行能力の改善
    ③NSAIDsの長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍
    ④褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍)
    ⑤妊娠中期における治療的流産

    【副作用・禁忌】
    副作用:重大な副作用として肝機能障害、黄疸が現れることがある(頻度不明)。その他の副作用として、過敏症(発疹、掻痒感)、消化器(下痢、悪心、腹部不快感、腹痛、食欲不振、胸やけ)、循環器(心悸亢進)、精神神経系(頭痛、めまい)、その他(潮紅、ほてり)などが0.1~1%未満の頻度で報告されている。
    禁忌:子宮収縮作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与してはいけない(プレグランディンは除く)。

    【作用機序】
    リマプロスト、アルプロスタジルはPGE1受容体刺激薬である。7回膜貫通型受容体にカップルするアデニル酸シクラーゼを活性化することで、血管平滑筋や血小板のcAMPを増加させ、血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を呈する。

    【半減期・代謝経路】
    健常成人にリマプロストとして5μgを空腹時単回経口投与すると、血漿中濃度は0.42時間後に最高に達し、その濃度は1.26pg/mLである。また、消失半減期は0.45時間である。本剤は主に肝臓で一般の脂肪酸同様β酸化を受けてα側鎖が短縮されるとともに、ω鎖末端の酸化、五員環の異性化、C-9位のカルボニル基の還元等を受けて代謝される。
    ラットに〔11β-3H〕リマプロスト アルファデクスを経口投与したとき、投与量の75~80%は胆汁中に排泄された。胆汁中に排泄された薬物のうち投与量の50~55%は再吸収され、最終的には糞中へ投与量の約70%、尿中へ投与量の約30%が排泄された。
    【その他のポイント・お役立ち情報】
    リマプロストは半減期が短く、抗血小板作用が可逆性であるため、手術や侵襲的処置が必要な場合の休薬期間は1日程度とされている.

    引用文献

    1) オパルモン錠5μg,医薬品インタビューフォーム 新様式第8版,2013.
    2) アピスタンディン注射用20μg,医薬品インタビューフォーム 第7版,2011.